音楽家の生活

皆さんこんにちは。千色を奏でるピアニスト 藤谷奈穂美です🎵

 

東京へ出発する日まであと少し!!! その前に、イタリアでのビッグイベント「クリスマス」もあるので、そちらの準備も大忙し。キリスト教のこちらでは必ず家族と過ごすとても大切な時間なのです。

更に、11月中旬からローマの中心でオペラのアリアや室内楽のコンサートを「毎晩!」頼まれ、勿論一人では不可能なのですぐに代わりのピアニストも探し、あれこれバタバタしている毎日を過ごしています。

 

今回の来日は、久々に主人と。 今日は音楽家としての生き方。音楽家カップルの生活をちょっとご紹介しちゃいます。

ローマ歌劇場のバスクラリネット奏者を務める彼ですが、出会ってからかれこれ12年の月日が経ちました。ペスカーラ音楽院で私が修了試験のため、プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番をリハーサルしていたとき、そこで指揮の勉強をしていたのが夫、サウロです。既にローマ歌劇場のバスクラリネット奏者のポジションを持ちつつも、ローマからペスカーラまで(バスで3時間ほど)時間を見つけて指揮科の勉強に通っていたのです。ここでもう、普通ではないことはわかって頂けるかと思います😅 超勤勉です。 ちなみに、オペラ座のオーディションに受かる前に、既にイタリア中のあちこちの重要なオーケスオラで演奏しています。中でもミラノのスカラ座での経験はやはり彼にとっては非常に重要だったとか。 もともとはクラリネットから始めたわけですが、初めて「バス・クラリネット」を吹いたときに「これが自分のやるべき楽器だ!」と直感したのだそうです。ご存知の方も多いかとは思いますが、彼は身長2メートル! クラリネットよりも長くて大きいバス・クラリネットがしっくりきたのです。そして何と、バスクラリネットを始めてたーーーったの2週間ほどで、あちこちのオーケストラのオーディションに合格しまくります。彼の音楽家としてのキャリアのスタートです。

楽器を持って2週間って、凄いと思います・・・。 夫だから言うわけではありませんが、バスクラリネット奏者としてはイタリア1と言われています。彼の音色を聞けばそれは納得。勿論、サウロはそんなことは絶対に口にしません。今まで知り合ってきた周りの音楽家たちが私に言ってきた言葉です。 ビッグな人間は自分のことを褒めたりしません。彼に限らず、これまでに共演してきたイタリアのトップの音楽家は皆そうです。

 

話は戻り、この修了試験のオーケストラとのリハーサルで出会い、色々とアドバイスをくれたのが夫だったのです。あのとき、「2週間後にオケとリハがあるから、プロコフィエフの協奏曲、用意しておくように」とマエストロから電話があり、必死で・・・そして狂った様に練習したのを覚えています。試験はまだ先だったのですが、オケと指揮科の先生の都合もあり、ピアノ協奏曲を2週間で何とか仕上げた恐ろしい記憶です😅

リハーサルでは指揮をするのも生徒なわけで、まとまらない・・・。何がなんだかわからなくなったり、うまく合わなかったり。 それでも「とても綺麗な音だね」とサウロは言ってくれたのも覚えています。 良いところを褒めるイタリア人❤️

その数日間、ピアノ科と指揮科で一緒に勉強したりご飯を食べに行ったり。

それが出会い。そのときに「この人!」と私は即決したのでした😊

 

無事に修了試験は最優秀賞を頂き満点で合格。帰国する予定だったのを「ローマに引っ越します」と変更。親はびっくりだったろうなぁ😅

イタリアへ留学するときもそうだったけれど、何か大きな決断をするときはいつも「即決」でした。

直感で生きてきています。

 

そして、ローマでの生活が始まりました。

 

それがもう12年前。時が経つのは早い!!!

 

夫婦になったのは2010年。これまでに世界各地で演奏してきました。

夫は既にオーケストラで演奏していましたが、「ピアニストの妻」と一緒になったことで、あちこちで演奏できる機会が増えたと言います。楽器奏者というのはピアニストが必要なのが一般的です。

ソロの曲も勿論ありますが、ピアノと共演する曲は山のようにあり、コンサートをするのにはピアニストは欠かせないのです。しかしながら、ピアニストを呼ぶのにはお金もかかります。

ですので、一緒に演奏する様になってから、世界各地で演奏場所を探す様になりました。

「なおみと出会う前はこんなことは出来なかったよ」と言ってくれています。

演奏する度に輪は広がっていき、あちこちから呼ばれるようになりました。デュオのCDを聞いてくださった方が「ピアノもすごく素敵」と言ってくださり、プログラムにはピアノソロも入れて下さいと言われたり、ピアノのソロ・リサイタルもさせて頂いたり。

世界各地で沢山の経験を今までしてきています。

 

夫は世界一マイペースです(笑) とにかく勤勉な人で、オペラ座でも100人近くいるオーケストラのメンバーで「毎日必ず」オペラ座へ行って練習しているのは彼だけです😅 普通の人は休みますからねぇ。。。 でも、兎に角山の様にたーーーっくさん色々やることがいつもあって、「なぜそんなに??」と思うほど、あれこれするのが好きな変わり者です(笑) イタリア人なのに(!)まともなバカンスもしたことがなくて、私と出会ってからバカンスもするようになったとか・・・。

まだ結婚前でしたが、姑に「サウロとバカンスしてくる」と言ったときのあの驚いた顔は今でも忘れられません。「サウロが?バカンス?サウロが言ったの???」

「そうだよ」と普通に答えた私でしたが、「まあ、なんてこと!!!」とそれはそれは驚いていました。 良い意味で、ですよ。

 

練習もそうですが、テクニックやチューニングの本を書いたり(出版されています)、いつの間にか作曲もする様になったり、指揮の勉強もしたり、現代曲をあれこれ探したり・・・。とにかく、毎日色々やっているのです。 それについていけるのは、日本人である私だけ(笑)いや、日本人でも私だけだったりして・・・😅

友人でもあるオペラ座の首席オーボエ奏者が「イタリア人女性だったら、サウロと一緒に居るのは10分ももたない」と言ったくらいです 笑

そんなこんなで、基本的に家には居ないので、実は今となってはちょっと楽なのかしら?

私は私で忙しく、ピアノの練習して家事をしてママをやっているので、更に夫が家に居るとリズムが崩れるというか・・・。 夜私が仕事に行くときは、仕事に行く時間のぎりぎりに帰宅。その前に私は夕飯を用意したり・・・という生活です。

兎に角「練習時間をいかにして取るか」が、音楽家の生活には大事なことなんです。

それはお互いに理解し合えるので、問題なくやっていけてるのだと思います。

音楽家の場合、パートナーの理解が得られないと辛すぎるのです。というか、やっていけません。

 

土曜日、日曜日。おやすみなんだからどこかへ出かけようよ。 いやいや。コンサート近いから練習しなきゃ。 えーーー。休みの日までーーー?

 

となるわけですよ。 しかも、お金にならない仕事も若き音楽家は引き受けることもあるわけです。どんなチャンスが待ってるかわからないから。

そこで「何の稼ぎにもならないのに、何で続けるの?」と言われたらもう・・・・😭

 

でもまあ。こんなのはよくある話です。「夫の理解を得られない」。どれだけ聞かされたことか。

でも、努力で克服している友人もいます。並々ならぬ「努力と執念」が必要になりますが、その前に別れる人が多いと思います。

 

お金にならないのに続ける。

 

これはもう、今の時代、音楽家として生きていくならば避けては通れない道です。 勿論ずっと続けるわけにはいきません。生活しなければなりませんからね。 なので理解し合えない場合はどうにもならないわけです。

 

夫の話ばかりして、彼は異常なんじゃないかと思われそうですが(笑)向こうも私に合わせてくれていることが色々あります。

例えば「音」「雑音」。

うちにはテレビがありません。ずーーっとありません。あったら見るかもしれませんが、私は兎に角テレビの音が苦手。特にCM。急にボリュームが大きくなって、耐えられません・・・。本当に見たい番組があったら見ますが(例えば日本で)、だいたいテレビの前でぼーーっとしている時間が無い。 我が家ではニュースは古いラジオで聞いています。舅が使っていたという70年代のシャープのラジカセ❤️ まだ壊れずに、毎日我が家の台所で動いています。

が、たまにラジオの音もダメなのです。特にサッカーの中継とか・・・・。頭が痛くなります。

彼もたいしてサッカーに興味はないのだから「何で聞く必要があるの?」と私に言われるわけです😅可哀想な夫・・・。 「ちょっとだけ」と言って、すぐに消してくれます。 隣の部屋で寝ていて、結構ボリューム下げているのに聞こえるので「ボリューム下げて」と私に言われる始末。

「え!?こんな音まで聞こえるの?」と言う夫。 聞こえるんだよねぇ。。。

私は音にかなり敏感というか、ネット回線の音なのか何なのか、電子音みたいなのまで聞こえるのです。これは「私も聞こえる!」という人が今まで一人も居ないので、何とも説明できないのですが・・・。 ピアノ練習で特にしっかり暗譜をしたいときは時計の秒針もきになるので、時計も隠します。 耳を使うのが常なので、何もしないときはできるだけ無音かもしくはクラシックとは全く関係ないジャンルの音楽でリラックスするか。 このラジカセで聞く、古いカセットテープで聞くジャズが好きです。昔舅がラジオから録音したものだとか。 古臭さがとても素敵です。

 

あとはなんだろう。。。。 兎に角ノンストップな夫婦だなぁと思います😅

でも、仕事の面でもお互いに助け合ったり、音楽的なことでも意見を言い合ったり。

これ以上は何も求められないかな。娘もたまらなく可愛いし❤️

 

 

12月28日(土)は、9年ぶりのデュオ・リサイタルです。 北海道ではここ数年もずっと一緒に演奏したりしていますが、東京では本当に久しぶりです。

夫婦の演奏をどうぞ聞きにいらしてください🎵 カーネギーホールで演奏した曲や、新しい現代曲、ラフマニノフの名曲等、盛りだくさんのプログラムになっています。

詳細、ご予約はこちらのリンクからどうぞ↓

https://classic-concert.info/piano2/

 

2人で、最高の音楽を奏でられたらと思います。お待ちしております。

 

ciao ciao ❤️

 

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